2016.10.14fri-16sun.  小椋邸 /Gujyo-hachiman GIFU
「きそがわ日和」郡上アーティスト・イン・レジデンス
~郡上に棲む精霊たち~
9〜10月  郡上八幡の町家 小椋邸にて滞在制作
Statement
 かつてここ小椋邸は、当主小椋祥平さんのお母様ヒサエさんが駄菓子屋さんを営んでいらしたそうです。ご家族やご近所の方々から、「ここには鉄板があって…」「おでんやお好み焼きもあったね」「お煎餅も焼いていたんだよ」「節分には2階で豆まきをしてくれたなあ」「そうそう、手作りの餅花も飾ってあって」「この箪笥階段はおじいさんが作ったのよ」等々たくさんお話をうかがうことができました。
 初めてこちらにお邪魔した時、花瓶に生けられた”造花”に目が留まりました。美しい木目や高い吹き抜け、歴史を感じる様々なものに混じって、鮮やかな色であっけらかんと咲くその姿が脳裏に焼き付いて離れず、”造花”を作品素材にすることに決め、郡上の皆さんに“この際手放してもいい造花”を募集させていただきました。すると不思議な縁が重なり、たくさんの花が集まりました。ここに滞在しながら、ヒサエさんやご家族、子供の頃にお菓子を買いに来たご近所の方々、また”造花”を提供してくださったたくさんの方々の『記憶』の中を旅するような感覚で制作を進められたのはとても良い時間した。
そんな中でこの”造花”には、この家と同じようにそれぞれのエピソードがあり、時間がある…という思いが募ってきました。ひとつひとつの花を繋げていくことで、それぞれの中にある「思い」を縫うように、そして「今」につながる郡上の姿をここに届けられた花々で表現しました。
土間 /entrance
吹き抜け
room1 /1F Installation
廊下 /1F Installation
吹き抜け /2F Installation
room2 /2F Installation
room3 /2F Installation
Photo : Erika Okubo
滞在制作風景
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